『論理哲学論考』を読んで 1
ウィトゲンシュタイン,ルートウィヒ. (2002). 論理哲学論考. 野矢茂樹 (訳), 東京: 岩波書店.
まずは上に上げた,ウィトゲンシュタイン前期の本から読んでみようと思う.
さっそく響いたセンテンスがあったので,いくつか抜粋.
おそらく本書は,ここに表されている思想ーなしそれに類似した思想ーをすでに自ら考えたことのある人だけに理解されるだろう.―それゆえこれは教科書ではない.―理解してくれたひとりの読者を喜ばしえたならば,目的は果たせたことになる.
(p.9)
- 一部の読む手を寄せ付けない言葉
- だが,そこにこそウィトゲンシュタインの力強さがある
本書は哲学の諸問題を扱っており,…(中略)…
それらの問題がわれわれの言語の論理に対する誤解から生じていることを示している.
…(中略)…
およそ語られうることは明確に語られうる.そして,論じえないことについては,ひとは沈黙せねばならない.
(p.9)
- 「言語の論理に対する誤解」とは?
- 「語られうること」「論じえないこと」とは?
- 読み進めていくときのポイント
私の為そうとしたことが他の哲学者たちの試みとどの程度一致しているのか,私はそのようなことを判定するつもりはない.
…(中略)…
私がいっさい典拠を示さなかったのも,私の考えたことがすでに他のひとによって考えられていたのかどうかなど,私には関心がないからにほかならない.
(p.10)
- 大学に通っていたときにこんなことを言えたらかっこよかったかも
- ただし周りからものすごく嫌われると思うけど
他方,本書に表された思想が真理であることは侵しがたく決定的であると思われる.それゆえ私は,問題はその本質において最終的に解決されたと考えている.
(p.11)
- 「思想が真理であることは侵しがたく決定的」とは何を意味するか?